日本からパンダがいなくなる?迫る「返還期限」と背景を徹底解説

日本からパンダがいなくなる?迫る「返還期限」と背景を徹底解説 ニュース

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近年、日本の動物園で愛されてきたジャイアントパンダたちが、次々と中国へ返還されています。そしてついに、国内のパンダ飼育数が「ゼロ」になる可能性が現実味を帯びています。

これは一過性のニュースではなく、日中の外交関係やジャイアントパンダの国際的な保護・繁殖プログラムといった、複雑な要因が絡み合った状況です。現状と背景を詳しく解説します。

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1.迫るパンダの「返還期限」

現在(2025年12月時点)、日本国内で飼育されているジャイアントパンダは、東京・上野動物園の双子、シャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)の2頭のみです。

そして、この2頭も中国への返還期限が迫っています。

  • 上野動物園(東京):シャオシャオとレイレイ
    • 返還予定時期:2026年1月下旬(当初は2月でしたが、最新情報で前倒しの報道あり)
    • この2頭が返還されると、日本国内でジャイアントパンダは飼育されなくなります。

すでに返還されたパンダたち

パンダの減少はすでに始まっていました。

  • アドベンチャーワールド(和歌山):良浜など4頭
    • 2025年6月末に、良浜(らうひん)を含む4頭が中国へ返還されました。
  • 上野動物園(東京):シンシンとリーリー
    • 双子の両親であるシンシンとリーリーは、協定期限を前倒しして2024年9月に中国へ返還されました。
  • 神戸市立王子動物園(兵庫):タンタン
    • 高齢のため、2024年3月に残念ながら亡くなりました。

一連の返還ラッシュにより、国内のパンダ飼育数は激減し、上野動物園の双子の返還をもって「ゼロ」となる見通しが立っています。

2.なぜパンダは中国へ帰るのか?:国際的なルール

ジャイアントパンダは、野生での生息数が少ない絶滅危惧種です。現在、海外の動物園にいるパンダは、中国政府から借り受けている形であり、日本が所有しているわけではありません。

この仕組みを「パンダ保護研究実施の協力協定」と呼びます。

  • 所有権は中国にある:パンダはすべて中国の所有物であり、協定で定められた期間(通常10年間など)が過ぎると、中国へ返還することが義務付けられています。
  • 繁殖と種の保存:海外で生まれた子どもも、協定に基づき中国へ返還され、繁殖プログラムに参加します。これは、国際的な共同研究と、パンダの遺伝的多様性を守るための重要な活動です。
  • 繁殖適齢期:特にシャオシャオやレイレイのような若いパンダの返還は、中国の研究施設で将来の繁殖パートナーを探すことを目的としている側面もあります。

3.新たなパンダの貸し出しと日中関係

協定の期限が来ても、通常は延長や新たなパンダの貸し出しが打診されることがありますが、今回は新たな貸し出しの見通しが立っていないため、注目が集まっています。

一部の中国メディアや専門家からは、日中関係の緊張が続けば、中国のパンダの新たな貸し出しを停止し、日本からパンダがいなくなる可能性があるとの見解が報じられました。

ジャイアントパンダは、1972年の日中国交正常化以降、「友好の証」として贈られてきた歴史があり、外交のバロメーターとして捉えられることも少なくありません。

現在、日本側から中国へ新たな貸し出しの要請の動きは見られますが、情勢は不透明なままです。

まとめ:パンダに会えるのは残り僅か

「国内からパンダがいなくなる」というニュースは、上野動物園のシャオシャオとレイレイが返還される2026年1月下旬をもって、現実のものとなる可能性が極めて高い状況です。

パンダがいなくなることで、観光客の減少などによる地域経済への大きな影響も懸念されています。

パンダは中国から「お借りしている」動物であり、彼らの故郷での繁殖や保護研究は国際的な責務です。寂しさはありますが、この事実を理解し、残されたわずかな期間、彼らの姿を大切に見守りたいものです。